梅の追熟で失敗しないおすすめの追熟の仕方と期間の目安は?



そろそろ「梅干しを漬ける」季節がやってきましたね。梅酒や梅ジュースは作るけど、梅干し作りに関してはちょっと尻込みしてしまうという方は私だけではないのではないでしょうか?

まだまだ知らないことがいっぱいあって敷居が高い「梅干し漬け」について、いつか美味しい梅干しを漬けてやると少しずつ勉強しているところです。

今回のテーマは、「梅の追熟で失敗しないおすすめの追熟の仕方と期間の目安は?」です。よくある失敗の中から「梅の追熟について」和歌山の農協の方に伺ってみました。

梅の追熟が失敗した?

梅干しに使われる梅は、6月中旬~本格的に出回る黄色くて比較的大きな粒の「完熟梅」を使うのが一般的。しかし、完熟梅が出回る前の「完熟していない梅」を使って梅干しを漬けて失敗してしまうケースが6月中旬前には多いようです。

 失敗の原因を詳しく調べてみると、「青梅」をどうにか「追熟」させて梅干し用に使用したり、まだ、黄色く完熟していない梅を追熟させて使用したりする時に失敗してしまうケースが多く見られます。

【失敗例】

「まだ青かったので追熟しようと新聞紙を広げた上に2~3日置いておきました。その時点では黄色くなって良い香りがしていたのですが少し固かったのでもう数日そのまま置いておくことにしました。すると4~5日目にはシワシワになってしまいました。指で軽く押すと少しへこむぐらいの固さでしたが水洗いすると梅が茶色になってしまいました。」   

ところで、「完熟」「追熟」の違いを簡単に説明すると、 

「完熟」は、梅の実が木になっている段階で熟した状態。
「追熟」は、梅の実が出すエチレンによって収穫後に熟すこと。

梅の追熟の仕方は?

梅干し作り1年生の素人の私は、ふと「なぜ梅干しには完熟梅を使うことが勧められているのでしょうか?なんで青梅じゃだめなの?」という疑問が湧いてきます。

その理由については、梅干しを青い梅で漬けると、皮や実が堅くなり良い梅干は作れないからだそうです。

だから、一般的にはもし梅が完熟していなければ「追熟すること」が推奨されています。 青梅の追熟の仕方について更に調べてみると何種類かやり方がありました。

その代表的な梅の追熟の仕方は以下の3つのように基本置いておくことのようです。 

①新聞を引いて(包んで)日陰に置いておく。

②段ボールのフタを開けてそのまま置いておく。

③重ならないようにザルなどに並べて風通しの良い所に置いておく。

ただ、今回和歌山の農協の方に伺った梅の追熟の仕方は...
「ビニール袋に入れて、冷蔵庫で保管する方法」でした。
そしてこのやり方は至って簡単&失敗が少ない方法らしい!

梅の追熟をビニール袋でする 方法は...

「ビニール袋の口は締めて密封し、なるべく触らないように追熟を待つだけ」とのこと。 あく抜きは必要なく、水洗いは、梅を漬ける時にさっと洗い流す程度で良いそうです。

上記で最初に紹介した3つのような方法もあるようですが…とお聞きしたところ、お伺いした農家さん曰く、例えば、段ボールの状態によっては水分を含んでいて、下の方の梅の実が段ボールに接地している梅が傷みやすい。また室温での管理では、気温や湿気などを見極めながら梅の追熟をイイ感じにコントロールすることが難しい場合があり、追熟のし過ぎで失敗に繋がることがよくあるので「冷蔵庫」が無難なのだそうです。

追熟は言葉を変えれば、いわゆる梅の実が「老化」している状態といえます。

素人考えでは「冷蔵庫だと追熟しにくくなりそう」などと思ってしまうのですが、なるべく良い状態で追熟させるには「ビニール袋に入れて冷蔵庫で寝かせる」という方法で失敗しにくいそうです。

  *注意:ただし、梅を入手した時期や梅の種類によっては、冷蔵庫での追熟ではうまく黄色くならない場合もあります。

梅の追熟期間は?

梅の追熟期間は、その梅の状態にもよりますが、冷蔵庫に入れる場合は、だいたい2~3日ぐらいを目安に。段ボールの場合は、フタを開けてそのまま置いておけばよいです。置いておく日数は、少し青いくらいだと1日、真っ青だと2~3日を目安に。 具体的には梅の追熟はどのように判断するのか?

梅の追熟は香りでは判断が難しい?!

追熟すると、美味しそうな甘酸っぱい匂いがしてきます。しかし、香りだけでは、熟す段階を通り越した腐敗の状態「過熟」になっているのかの判断が難しいようです。

梅の追熟は硬さ/柔らかさで判断も難しい?!

青梅が追熟しても、完熟梅のような柔らかさになるわけではないそうです。青梅は追熟しても硬めなのだそうです。それに、あまり触り過ぎると梅の実が傷んでしまいますのでよろしくありません。 

梅が追熟したかどうかの判断をする一番大事にしたい基準は、「色」だそうです。 「黄色」になったら追熟完了!それ以上置くと置き過ぎになるので要注意です。茶色い斑点が出てきたら置き過ぎだそうです。 

ちなみに、もし、茶色い斑点が出た場合でも、その梅は使えるのか?お聞きすると、場合にもよりますが、カビ易くなるのであまりおすすめではないそうです。(ご自身の判断で!)

まとめ

梅干し漬けでの失敗例から「梅の追熟」について、梅の追熟の仕方と期間などをご紹介しました。いつか美味しい梅干しがつけられる女になるために、今後も「梅」について色々と調べていこうと思います。

コメント

質問者:のじりんさん

家の畑に梅の木が一本あります。まだ青くて固い様ですが、地面には黄色や青い実がたくさん落ちていました。梅干しを作りたいのですが、落ちたものは使えませんか?また、木で黄色く完熟するまで待っていた方が良いでしょうか?

のじりんさんへの返信

のじりんさん、こんにちは。ブログをご覧になって下さりありがとうございます。のじりんさんのご希望に添えた答えになっているかは分かりませんが、分かる範囲でお答えしますね。私は梅の専門家ではないので、ご質問について農協の方に伺ってみましたので参考の1つにしてみて下さい。

<ご質問1>
家の畑に梅の木が一本あります。
まだ青くて固い様ですが、地面には黄色や青い実がたくさん落ちていました。梅干しを作りたいのですが、落ちたものは使えませんか?

<答え1>
梅干しは、基本的に熟して落ちたものを使うので問題ないそうです。
落ちたものには土が付いていると思いますので、やさしく洗えばOKです。あまりにも痛んでしまっているものがある場合は弾いて別にしておけば安心かもしれませんね。

<ご質問2>
また、木で黄色く完熟するまで待っていた方が良いでしょうか?

<答え2>
梅干しの場合は、熟したものの方が柔らかくおいしいので、可能であるなら木で黄色く完熟するまで待つと良いとのことです。もちろん、すでに地面に落ちてしまったものでも、追熟させたり、熟し具合に応じてつけ方を変えたりすればOKです。落ちてしまった青い実は、追熟させて梅干しにすることもできますが、青いままの実を「梅酒」や「梅ジュース」として漬けるのもおすすめです。とのことでした。参考になれば幸いです。

質問者:千賀 早苗さん

袋に入れたままだと蒸れる気がするのですが大丈夫なんでしょうか?
もうひとつ袋に入れたままだと重なった下の梅は大丈夫なんでしょうか?
教えて下さい。

千賀 早苗さんへの返信

千賀さん、はじめまして。
ブログをご覧になって頂きましてありがとうございます。

「梅の追熟」で「袋にいれたままだと蒸れる気がする」とのご質問について、私なりの1つの見解をお答えさせていただきますね。

袋に入れたままだと蒸れる気がするのですが大丈夫なんでしょうか?

千賀さんがおっしゃられるように、ビニールに入れて口を縛ると通常であればと蒸れます。しかし、今回こちらの記事でご紹介させて頂いている梅の追熟方法は、「常温」ではなく「冷蔵」(冷蔵庫に入れる)なのでさほど心配はないかと思います。

袋に入れたままだと重なった下の梅は大丈夫なんでしょうか?

おっしゃられる通り、梅はデリケートです。梅が追熟して柔らかくなるとなおさらなので取り扱いには十分注意が必要です。
しかし、こまめに様子を伺って追熟のし過ぎに注意することや、ビニールに入れる際にギュウギュウ詰めに押し込むようなことをしなければ恐らく大丈夫ではないかなと思います。

もし梅の数が少なければ、梅がなるべく重ならないようにビニールに平らに入れてみると潰れる心配がなくて安心かもしれませんね。
(でもそれだと冷蔵庫で邪魔になってしまいますね(><))…あまり実用的ではない…

今回この記事でご紹介した追熟方法は、和歌山の農協の方に伺ったやり方で、教えて頂いた方いわく「比較的簡単で失敗が少ない方法!」ということでした。

でも、もし、ご心配であれば、リスク分散をして他の追熟方法と分けて、少量だけ試してみてはいかがでしょうか?

なにぶん、私自身が梅のプロではないので、千賀さんのご希望通りのお答えができているのかと考えると、本当に申し訳ないかぎりではあるのですが、一つの参考にして頂けると幸いです。

梅の追熟が成功することを願っております。
美味しくできますように!^v^

質問者:豊田優子さん

こちらのサイトを最初に拝見すればよかったです。常温でクーラーはつけていましたが、部屋で追熟しすぎて、腐らせてしまいました。もったいないですが、処分して、あらたに購入し、次は冷蔵庫で追熟してみようと思います。

豊田優子さんへの返信
豊田さん、はじめまして。ブログをご覧になって下さり、また、コメントまで下さってありがとうございます。梅の実、ちょっと残念でしたね。でも、これはきっと、美味しい梅を漬けるための前向きなステップですね。^v^梅のシーズンもそろそろ終わりに近づいてきましたね。
美味しい梅が漬けられますように。

質問者:志波 節さん

追熟の件で教えてください。青梅の状態で購入して追熟させるために2~3日外に出したのですがあまり変化なく冷蔵庫に切り替えました。それもなかなか黄色くならず 梅干しを作れません。どうしたらよいでしょう?梅雨が明けたので 再度外に出して追熟を試したほうがよいですか?

志波 節さんへの返信
志波さん、こんにちは。ブログをご覧になって下さりありがとうございます。私は梅の専門家ではないので、志波さんの状況を農協の方に伺ってみました。よろしければぜひ参考になさってみて下さいね。

梅の追熟については、青梅を購入された時期や梅の種類によって追熟に大きく影響するそうです。例えば、南高梅の場合であれば、2~4日、室内の涼しい場所に出しておけば黄色く追熟しますが、他の産地の梅によっては追熟が難しい種類もあるようです。

また、購入する時期によっても追熟する状況が違います。梅干しを漬けるのに適した南高梅は、6月中旬~末ぐらいに出回るものがベストで、それ以前の6月初旬に出回る梅は、より青くて固い梅が出荷されるので、梅酒や梅ジュースを作るのに適していて追熟するのも難しいようです。7月に入ってから手に入る梅の実は、おそらく南高梅ではないのでまた条件が異なってきます。

それを踏まえて、志波さんのご質問のお答えをさせて頂くと、

Q:梅雨が明けたので 再度外に出して追熟を試したほうがよいですか?
A:一度、冷蔵庫に入れたものを再度外に出して追熟はしないほうが良いでしょう。

Q:青梅の状態で購入して追熟させるために2~3日外に出したのですがあまり変化なく冷蔵庫に切り替えました。
それもなかなか黄色くならず 梅干しを作れません。どうしたらよいでしょう?
A:農協の方いわく、
「今、冷蔵庫で追熟させている梅は、おそらく、これ以上時間をおいても黄色くならない可能性が高いです。」
「固めの梅干しになってしまいますが漬けられないわけではないので、今の状態で、すぐに梅干し作りを始めた方が良いでしょう」
とのことでした。

【ワンポイントアドバイス!】

黄色くならなかった青梅を梅干しにする時の、ちょっとした「漬けかたのコツ」も伺いました。

通常の場合、梅干しは、1か月以上漬け込んだ梅を、夏の暑い時期に土用干しをしますが、漬けた梅が青かった場合は、通常の漬け方のように、慌てて夏の暑い時期に土用干しをしなくても、「お正月後ぐらい~直射日光にあてて土用干し」をすればよいそうですよ。漬けこむ時間を長くすると少しは柔らかくなるのだそうです。

その際、カビがこないように注意が必要です!梅を漬け込む時に、ホワイトリカーなどの35度のアルコールを霧吹きなどに入れて吹きかけてからフタをすると防カビ効果を期待できます。また、空気に触れるとカビの発生につながるので、蓋の開け閉めする回数を減らして、蓋を開けたときは、アルコールを吹きかけるようにするといいそうですよ。

以上、参考になれば幸いです。
繰り返しになりますが、なにぶん、私自身は梅の専門家ではないので、志波さんのご質問にきちんとお答えできているか心配ですがご了承くださいね。

美味しい梅干しができますように・・・

志波 節さんからの返信
アドバイスありがとうございます。実は6月中旬に梅を取り寄せて 漬けたのですがなかなか梅酢が上がってこず結果 カビてしまい破棄しました。どうしても諦めきれず7月に入ってネットで探してリベンジ!なのに今度は熟してくれず困っていました。とりあえず今の状態で漬けてみます。これでだめなら諦めがつきます。丁寧なアドバイスありがとうございました。

志波 節さんへの返信
そうだったのですね。残念でしたね。今年は異常気象で、梅雨明けが例年よりかなり遅れていて湿気がものすごいですし気候も不安定なので、梅にも何らかの影響が出ているのかもしれませんね。

梅酢が上がってこない時には、主に以下の4つのことを確認してみるといいみたいですよ。

(1)塩の量は足りているか?
(塩の量が少ないと上がりづらい)

(2)容器の底に塩がたまっていないか?
(たまっていたら、一旦、重石をのけて容器をゆする)

(3)重石の重さは軽すぎないか?
(軽すぎると上がりづらい。梅が浮き上がらないぐらいの重さが目安)

(4)梅の上に落し蓋がキチンとのっているか?
(斜めになっていないか)
     
注意:落し蓋や重石が濡れているとカビの原因につながるので、しっかりと乾かした清潔な用具を使うことが大切です。また、水を加えたり梅に触れたりすることも、カビや痛みの原因になるので注意して作業してくださいね。

今回はリベンジが果たせるといいですね。
美味しい梅干しができますように…^v^
コメントありがとうございました。

コメント